Appleが空間コンピュータ「Vision Pro」の開発を事実上停止したことが明らかになった。2025年10月にM5チップを搭載した最新モデルを投入したものの、販売は振るわず、開発チームも社内の他部門へ再配置されたという。ゲーミングPCユーザーにとっても、VRヘッドセット市場の動向は対岸の火事ではなく、MetaのQuest系やValveのSteamVRといったPCゲーミングVRの競合環境に影響を与える可能性があるだけに、注目度の高いニュースだ。
M5モデルではリフレッシュレートが120Hzに向上し、レンダリングピクセル数が約10%増加、バッテリー駆動時間も約30分延長された。装着感を改善するDual Knit Bandも追加されたが、価格は3,499ドル(約60万円)のままで、重量も約600グラムと変わらず。長時間装着の難しさという根本的な問題は解決されなかった。高性能・高価格・重量という三重苦をM5チップだけで打破するのは難しかったようだ。
Vision Proは2024年2月の初代発売以降、累計販売台数は約60万台にとどまっており、他のApple製品と比べても極めて苦戦した。さらに返品率も異常なほど高く、市場からの拒絶反応は明確だったとされる。チームのリーダーだったMike Rockwell氏は2025年3月からSiriチームを率いており、ハードウェアチームはスマートグラス開発へと移行している。廉価・軽量版として期待されていた「Vision Air」(開発コード名:N100)も昨年すでに計画が中止されており、次世代モデルの登場は白紙の状態だ。
Appleは今後、バーチャルリアリティではなくスマートグラスの開発に注力する方針を固めた。まずはディスプレイを内蔵しないRay-Ban MetaスマートグラスのようなAI搭載モデルからスタートし、将来的にはAR機能の統合を目指すという。Vision Pro向けに開発された技術は消費電力が大きく、スマートグラスのような小型・軽量デバイスへの転用が難しいとされており、新たなアプローチが必要になるとみられる。PCゲーマーの間でも期待されていたVRとPCの高次元な融合は、少なくともApple主導では当面実現しそうにない。現行のM5モデルは販売終了にはなっておらず、3,499ドルで引き続き購入可能だ。
出典:MacRumors
管理人コメント
Vision Pro、価格が下がったら欲しいと思ったガジェットだけど、まさか「下がる前に開発終了」という最速の夢破れ方をするとは…。60万円で累計60万台、しかも返品続出って、ある意味RTX 5090より財布に刺さる製品でしたね。次はスマートグラスって、AppleはメガネをかけたいのかVRしたいのか、方向性をそろそろ決めてほしいものです。
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