SSDに使われるNANDフラッシュの価格上昇が、2026年第2四半期も加速した。Counterpoint Researchによると、NAND価格は前四半期比で55%上昇し、市場全体の売上規模も70%拡大した。出荷量の急増ではなく、価格上昇が市場成長を大きく押し上げている。
メーカー別の売上高シェアではSamsungが28%で首位を維持し、SK hynixが19%、Micronが15%で続いた。Samsungのシェアは2025年第2四半期の32%からやや低下している一方、中国YMTCは9%から14%まで拡大し、Kioxiaと並ぶ規模へ成長している。
今回の値上がりを支えている大きな要因が、AIサーバー向けストレージ需要だ。大規模AIシステムでは高容量のエンタープライズSSDが大量に必要となるため、NANDメーカーは利益率の高いサーバー向け製品への供給を優先する傾向を強めている。その結果、PC向けSSDなどコンシューマー市場へ回る供給余力が圧迫されている。
Counterpoint Researchは8月、AI推論向け需要の拡大によってエンタープライズSSDがNAND総出荷量の48%を占めるまで成長したと報告していた。前年同期の26%からほぼ倍増しており、NAND市場がPCやスマートフォン中心からAIサーバー中心へ急速に傾いていることが分かる。
こうした需給環境では、NANDメーカーが増産しても価格が短期間で元の水準へ戻るとは限らない。新しい製造能力の立ち上げには時間がかかるうえ、AI向け需要そのものも拡大が続いており、市場では本格的な価格安定が2027年以降になるとの見方も出ている。
日本のPCユーザーにとって重要なのは、NAND価格55%上昇が海外だけの特殊事情ではないことだ。SSDは世界共通のNAND供給網から製造されているため、契約価格の高騰が続けば国内のNVMe SSDやBTOゲーミングPCのストレージ構成にも影響が及ぶ。2TBや4TB SSDを検討している場合は、容量単価の推移をこれまで以上に注意して見たい状況となっている。
管理人コメント
NANDが1四半期で55%上昇。もう「SSDがちょっと高くなった」で済ませる数字ではありません。AIサーバーが高容量NANDをどんどん吸収しているため、PC向けだけ安くなる展開も期待しにくいところ。2TB以上を狙っている人は、値下がり待ち一本より現在価格と必要時期を見ながら判断したほうがよさそうです。








