Valveが開発中のVRヘッドセット「Steam Frame」が、発売前から価格上昇の圧力にさらされている。Bloombergの報道によれば、Steam FrameのメインチップとなるQualcommのSnapdragon 8 Gen 3が、すべての顧客向けに二桁台のパーセンテージで値上げされることが明らかになった。メモリやストレージに続き、プロセッサまでもが値上がりするかたちとなり、Valveのハードウェア戦略に影響を与えるとみられる。
Qualcommがこうした価格引き上げに踏み切った背景には、スマートフォン市場の低迷がある。DRAMおよびNAND Flashの高騰がスマートフォン本体の価格を押し上げ、販売台数が落ち込んだ結果、スマートフォン向けSoCの需要も縮小した。これによってQualcommはサプライチェーン全体で収益圧力を受け、価格転嫁という形で対応しているという。Snapdragon 8 Gen 3の値上げ幅は10%以上とされており、最終的な影響度は現時点では不明だ。
Steam Frameの仕様は、Snapdragon 8 Gen 3に加え、16GBのLPDDR5X統合メモリと最大1TBのストレージを搭載する予定だ。本体重量は185gと非常に軽量で、ヘッドストラップ込みでも440gに抑えられている。ディスプレイは左右それぞれ2160×2160のパンケーキレンズ方式で144Hzリフレッシュレート、視野角110度を実現している。Wi-Fi 7経由でSteamゲームを低遅延ストリーミングする構成で、アイトラッキングを利用したフォービエイテッドストリーミングにより視線方向の解像度を最適化する仕組みを採用している。
外向きカメラを4基搭載し、IRイルミネーターと組み合わせることでどんな環境でもトラッキングを維持できるとされている。バッテリー容量は21.6Whで、SteamOSのサスペンド・レジューム機能にも対応する。付属のSteam Frame Controllerは磁気式TMRサムスティックと静電容量式指センサーを備え、最大40時間のバッテリー駆動が可能だという。
LPDDR5Xメモリおよびストレージの供給不足も重なっているため、値上がりの幅次第ではValveが当初想定していた価格・スケジュールでの発売が難しくなる可能性もある。VR市場全体でのコスト上昇が続く中、Steam Frameがどのような価格設定で登場するかは、今後の供給状況を見極める必要があるだろう。
管理人コメント
「VRで空を飛べる時代」が来る前に、財布の中身がフライト済みになりそうな展開だ。Qualcommの値上げ、LPDDR5Xの不足、NANDの高騰と三重苦のコンボが炸裂中。Valveさん、ヘッドセットより先に家計の「サスペンド機能」が発動しそうです……。








