Samsungが4nm、5nm、8nmプロセスの新規受注価格を最大15%引き上げたと報じられている。Reutersが関係者の話として伝えたところによると、中国と米国の顧客向けでは4nmのSF4が6月比で10〜15%、台湾向けでも5〜10%上昇したほか、5nmのSF5は10〜15%、8nmも約10%値上がりしたという。
価格上昇の背景にはAI向け半導体需要の拡大があり、Samsungの韓国・平沢にある4nmラインでは、Qualcomm向けのロジックチップに加えてHBMに使われるベースダイの生産も増えている。AI向けGPUの需要拡大によってHBM関連の生産能力が必要になる一方、外部のファウンドリ顧客からの注文も増えているため、限られた4nmラインを複数の需要が取り合う状況になっている。
なかでも影響を受けているのが中国の半導体企業で、米国の輸出規制によって先端半導体製造装置へのアクセスが制限されていることから、Samsungなど海外ファウンドリへの依存度が高まっている。しかしSamsung側も米国顧客や自社製品向けの生産を抱えており、Tom’s Hardwareによると、中国企業から寄せられる注文は同社が受け入れられる量を上回っているという。
今回の価格改定によってGPUやCPUの店頭価格がそのまま10〜15%上昇するわけではなく、実際の製品価格は設計、パッケージング、メモリ、物流、為替など多くの要素によって決まる。ただ、半導体製造の根幹となるファウンドリ価格が上昇すればメーカーのコスト負担は増えるため、中長期的にはPC向け半導体の価格を押し上げる要因になり得る。
さらに、競合するTSMCでも先端プロセスの供給逼迫や価格上昇が続いており、Samsungまで値上げに動けば、半導体メーカーが製造コストを抑えるための選択肢は限られてくる。これまでAI需要によるPCパーツへの影響はDRAMやNAND、HBMなどメモリを中心に目立っていたが、今回の動きはその影響がチップ製造そのものへ広がっていることを示している。
国内のGPUやCPU、BTOゲーミングPCが直ちに値上がりすると判断するのは早いものの、製造コストを押し上げる材料が増えていることは確かだ。DRAMやNANDに加え、ファウンドリ価格まで上昇すれば、AI需要の影響はPCパーツ市場のより広い範囲へ及ぶことになる。今後は個別製品の値動きだけでなく、半導体製造コスト全体の上昇がPC価格にどう波及するかが焦点となる。
出典:Reuters
管理人コメント
AI需要の波、ついにメモリだけでなく「チップを作る場所」の値段まで押し上げてきました。Samsungの4nmが最大15%上昇となれば、すぐにGPUやCPUが15%高くなる話ではありませんが、製造コスト上昇の材料がまた1つ追加。最近の半導体市場、値下げ要因を探すほうが難しくなってきました。BTO価格を見る側としては、かなり嫌な追い風です。








