NVIDIAはRTX 5000シリーズ「Blackwell」世代からGPUホットスポット温度の公開APIへのアクセスを削除した。これにより、HWiNFO、MSI Afterburner、GPU-Zといった定番のモニタリングツールでホットスポット温度が確認できなくなっていた。NVIDIAが公式に提供するのは「GPU平均温度」と「メモリ温度」のみとなっており、ホットスポットセンサー自体はGPU上に存在し続けているものの、通常の手段ではアクセス不可能な状態だ。
こうした状況を打破したのが、ブラジルの修理チャンネルを運営するPaulo GomesとSidnelsonのチームだ。両者はNVIDIA社内向けの診断ツール「MODS(Modular Diagnostic Software)」を活用し、RTX 5000シリーズのホットスポット温度を読み取ることに成功した。MODSは本来、NVIDIA内部の製造・修理・品質検査向けのソフトウェアであり、一般公開はされていないが、グラフィックカード修理の技術者の間では非公式ビルドが流通しているとされている。
実際の計測では、GigabyteのRTX 5070 Tiを対象にしたテストで衝撃的な結果が明らかになった。Windowsのモニタリングソフト上ではGPU平均温度が67〜68℃という正常範囲を示していたにもかかわらず、MODSによるホットスポット温度は107℃に達し、1回のテスト中だけで5度もサーマルスロットリングが発生していたという。ユーザーからは「平均温度は問題ないのにパフォーマンスが落ちる」「ファンが高速回転する」といった報告が修理チームに多数寄せられていたことも確認されている。
原因の調査により、GPUダイとクーラー間のサーマルインターフェイスマテリアル(TIM)の劣化および接触不良が判明した。熱伝導グリスを塗り替えたところ、ホットスポット温度は107℃から約100℃まで低下し、パフォーマンスが改善したとされている。修理チームはこの事例をもとに、「NVIDIAはホットスポット温度をWindowsのモニタリングツールで再び確認できるようにすべきだ」と強く主張している。平均温度だけでは局所的な過熱を見逃すリスクが高く、ユーザーが自分のカードに問題があることに気づけないまま使い続ける状況は看過できないという立場だ。
今回の問題は、RTX 5000シリーズを購入したユーザーが性能低下の原因を特定できない状況が広がっている可能性を示唆している。ホットスポット温度が非公開になったことで、サーマルスロットリングが起きていても「平均温度は正常」と誤認されるリスクが存在する。自作PCユーザーやゲーマーとしては、RTX 5000シリーズを使用中に不審なパフォーマンス低下やファン回転数の増加を感じた場合、グリスの状態やクーラーの接触を確認することが重要だとみられる。
管理人コメント
「平均温度68℃だから大丈夫」と思ったらホットスポットは107℃——これはもうGPUがこっそり「熱くて無理です」とストライキを起こしていた状態ですね。NVIDIAさん、ホットスポット温度を隠しても問題は隠せないということが証明されてしまいました。グリスの塗り直しが令和最新のゲーム最適化設定になる日が来るとは誰が予想したでしょうか。








