Intelが、低価格PC向けプロセッサ「Wildcat Lake(Core Series 3)」で採用したコスト削減策の詳細を明らかにした。上位のPanther Lakeで使われるFoverosパッケージングを採用せず、UCIeを利用した有機基板ベースのMCP(Multi-Chip Package)へ変更するなど、CPUだけでなくプラットフォーム全体で製造コストを抑えている。
Wildcat LakeはPanther Lakeと同世代のアーキテクチャを利用しながら、低価格帯のノートPCなどを想定して機能や構成を最適化したプロセッサだ。
大きな違いとなるのがパッケージングで、Panther LakeのCore Ultra Series 3ではFoverosとベースダイを利用するのに対し、Wildcat Lakeでは有機基板を使ったMCPとUCIeによる2ダイ構成を採用する。
Intelによると、この変更によって組み立てコストや歩留まり損失を抑えられる。開発段階ではモノリシック構成も検討したものの、最終的にはMCPがコスト面で最も適していると判断したという。
Compute DieにはIntel 18A、I/O TileにはTSMC N6を採用する。GPUやCPUを含むCompute Tileのダイ面積はPanther Lakeと比較して38%小さくなり、I/O Tileも15%縮小された。
NPUについてもコスト削減が行われている。Wildcat LakeのNPU性能は17TOPSで、MicrosoftがCopilot+ PCに求める40TOPSの要件には届かない。一方、ビデオ会議のエフェクトやセマンティック検索、セキュリティ、システム管理など、日常的なAI処理を想定した性能は維持している。
パッケージ自体も小型化されており、Panther Lakeの4Xe構成が50×25×1.5mmであるのに対し、Wildcat Lakeは35×25×1.23mmとなる。
さらにPCメーカー側の製造コストにも手が入っている。64bit DRAMの採用によって基板を8層から6層へ減らせるほか、Wi-Fi 7の統合やUSBリタイマーへのPDコントローラー統合などにより、外付け部品の削減を進めている。
ただしUCIeへの変更にはデメリットもある。Foverosのバンプピッチが36μmであるのに対し、UCIeでは110μmと大きくなり、ダイ間インターフェースに必要な面積は約70%増加した。それでもIntelは、パッケージ全体で得られるコスト削減効果のほうが大きいと判断している。
Wildcat Lakeは単純にPanther Lakeの機能を削っただけの廉価版ではなく、パッケージ、ダイ、基板、電源、通信機能まで含めて低価格PC向けに再設計されたプロセッサとなる。
PCパーツ価格の上昇が続く現在、こうした設計は完成品PCの価格を抑えるうえでも重要になる。ハイエンド向けCore Ultraとは異なる方向から、Intelが低価格PC市場でどこまで価格競争力を取り戻せるかが注目される。
管理人コメント
「廉価版だからコアを少し削りました」で終わらず、パッケージから基板までコスト削減しているのが面白いところ。Compute Tileは38%小型化、基板も8層から6層へ。そこまでやるかIntel。ただ、今のPC市場はメモリなど他の部品が盛大に値上がり中です。CPUが必死に節約しても周囲が全部食べてしまったら悲しい。最終的に安いPCとして出てくるかが勝負です。








