NVIDIAのDLSS 5 Neural Renderingを、ゲーム描画とは別のGPUへ処理させる非公式技術が公開された。ReShade向けアドオン「MGPU Bridge」を利用し、1枚目のGPUでゲームを描画、2枚目でDLSS 5のNeural Renderingを処理する仕組みだ。
開発者Marcelo Guibout氏が公開したデモでは、GeForce RTX 5060 Ti 16GBを2枚使用。Ryzen 7 7800X3Dと32GB DDR5を組み合わせ、両GPUをPCI Express 5.0 x8で動作させている。
DLSS 5のNeural Renderingはフレーム描画の最後に処理される。この特性を利用し、1枚目のGPUが完成させたフレームを2枚目へ送り、そこでNeural Renderingを適用したあと、2枚目のGPUへ接続したディスプレイから表示する。
『The Blood of Dawnwalker』の1080pテストでは、DLAA時に67~70fpsだったゲームが、同じGPUでDLSS 5を処理すると44fpsまで低下した。ところがNeural Renderingを2枚目のRTX 5060 Tiへ移すと、67~70fpsまで回復したという。
Performanceモードでは59fpsから107fpsへ上昇したとの結果も示されている。別の検証では最大127%のフレームレート改善が確認されているが、開発者自身も現段階の動画を正式なベンチマークではなく技術デモとして位置付けている。
当然ながら、実用には大きな制約がある。現在の実装はDirectX 12ゲームが対象で、RTX 50シリーズのGPUを2枚必要とするほか、それぞれのGPUへディスプレイを接続する必要がある。表示経路が増えるため遅延も増加する。
さらにNVIDIAの正式機能ではなく、ゲーム側がサポートする構成でもない。2枚目のGPUを購入してDLSS 5の性能低下を補う方法はコスト面でも現実的とは言いにくいが、ニューラルレンダリングを別GPUへ切り離せること自体は興味深い。
かつてPhysX専用GPUを追加する構成が存在したように、AIによるレンダリング処理が重くなるほど「ゲーム描画とは別の演算器へ処理を逃がす」という考え方が再び意味を持つ可能性もある。現状は完全に実験段階だが、DLSS 5の負荷をどう処理するかという新しいアプローチとして注目される。
管理人コメント
DLSS 5が重い? ではRTX 5060 Tiをもう1枚。解決方法の腕力がすごい。ただし2枚のGPUと2系統のディスプレイ接続が必要で、遅延も増える実験的なModです。いま実用構成として勧めるものではありません。それでもNeural Renderingを描画GPUから切り離せた点は、今後のAIレンダリングを考えるうえで面白い検証です。








