DLSS 5をIntel内蔵GPUへ移植、Arc 140Vで動作 コードの大半はAIエージェントが生成

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NVIDIAの「DLSS 5 Neural Rendering」をIntelの内蔵GPUで動かす実験的なプロジェクトが公開された。対象となったのはLunar Lakeに内蔵されるIntel Arc 140Vで、NVIDIA GPU向けの技術を単純に呼び出すラッパーではなく、DLSS 5で使われるニューラルネットワークをIntel Xeアーキテクチャ向けに再実装している。現段階の処理速度はゲーム用途には遠く及ばないが、異なるGPUアーキテクチャでニューラルレンダリングを動かした技術デモとして興味深い。

「dlss-nr-on-intel」と名付けられたプロジェクトでは、DLSS 5の71ブロックからなるニューラルネットワークをVulkan経由でIntelのXMXユニットへ処理させる。Xe2ではFP8演算を利用できないため、FP16演算とFP32累積を使う構成へ変更。『Tekken 7』『Dead or Alive 5 Last Round』『Mortal Kombat 1』で映像を生成できることが確認されている。

もっとも、動いたことと実用になることは別の話だ。Arc 140Vで『Tekken 7』を640×360ドットまで下げても約10.5fpsにとどまり、フルHDではDLSS 5の処理だけで約412msを要するという。理論上はゲーム本体の描画時間を無視しても2.4fps程度しか出せない計算で、現状はリアルタイムのゲームプレイより、静止画やフォトモードで実験するための技術に近い。

そして、このプロジェクトでもう一つ目を引くのが開発方法だ。作者はClaude Opus 5とOpenAIのGPT-6 Astraにコード生成を任せ、自身はハードウェア、解析対象、方向性の提示と判断を担当したとしている。AIが出した誤った仮説も開発記録へ残されており、存在しないドライバー不具合をAIが推測したことで、開発が三段階にわたって遠回りした例も明かされた。AIエージェントが大規模な実装を進められる一方、人間による検証を外せないことも同時に示している。

現時点ではLinux環境が必要で、作者自身も完成した製品ではなく研究用の実装と位置付けている。ディスクリートArcやAMD GPUへ広げる動きもあるが、NVIDIAがこれらのハードウェアを正式対応したわけではない。とはいえ、DLSS 5のニューラル処理がGeForce固有のハードウェアだけでしか実行できないわけではないこと、さらにその移植作業自体をAIエージェントが大きく担ったことは、GPU技術とAI開発の両面で面白い実証となった。

出典:Tom’s Hardware

管理人コメント

360pで約10fpsなので、これを見てArcでDLSS 5が実用化したとは言えません。ただ、NVIDIA向けのニューラル処理をIntel内蔵GPUへ持ってきて、しかもコードの大部分をAIが書いたのは面白い。さらにAI自身の勘違いで三段階も遠回り。開発者として働ける。でも、まだレビュー担当者は人間を置いておきたいです。

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