AMDの次世代アーキテクチャ「Zen 6」に、ゲーミング性能を向上させる可能性を持つ新機能群が搭載されるとみられる。Ryzenプロセッサ向けオーバークロックツールHYDRA OCの開発者である1usmus氏が新たな情報を公開した。それによると、Zen 6はCPUコアごとに必要な性能リソースを判断し、ゲームスレッドと背景処理タスクで電力配分を動的に最適化できる機構を持つという。
注目される機能のひとつが「CPPC Performance Priority(Collaborative Processor Performance Control)」だ。これはOSとCPUファームウェアが各コアの性能を個別に管理できる仕組みであり、合わせて「FloorPerf」と呼ばれる各コアの最低パフォーマンスラインを設定する制御機能も導入されるとされている。CPUが電力や温度の上限に達した際も、ゲームの重要スレッドを担うコアは高いブーストクロックを維持し、バックグラウンドタスク側のコアをスローダウンさせることで共有電力予算を融通できるとされる。
さらに「CPPC HighestFreq」インターフェースがAMDのPreferred Cores(優先コア選択)システムに追加されるとみられる。これにより、OSはどのコアが最速かをより正確に把握できるようになり、ゲームのメインスレッドやレンダリング・オーディオスレッドを最速コアへ振り分け、バックグラウンドアプリは電力効率を重視したコアへ割り当てることが可能になるという。なお、Low Power Coreタイプも追加される可能性があるが、現時点ではデスクトップ向けへの展開は予定されていないとされている。
「Per-core EPP Boost」も重要な機能のひとつだ。ゲームスレッドはGPUやほかのスレッドの処理待ちで短時間停止することがあり、その際にコアがクロックを下げてしまうと再加速が遅れ、フレーム時間の乱れにつながる。Per-core EPP Boostは、該当コアだけを一時的に高性能モードへ切り替えることでこの問題を解消できるとみられる。過去にSteam Deckで類似設定を試した実験では、1% Lowフレームレートが31.8%向上したとの報告があるが、これはZen 6の直接的なベンチマーク結果ではない点に注意が必要だ。
加えてZen 6では「PQOS Global Bandwidth Enforcement」および拡張版「IBS Memory Profiler」も導入されるとされている。Global Bandwidth Enforcementはバックグラウンドスレッドが使用するメモリ帯域幅を制限できる機能であり、ゲームの重要スレッドが帯域を奪われる状況を抑制することが期待される。これら一連の機能は、単純なクロック引き上げではなくアーキテクチャレベルでのリソース管理精度向上によってゲーム体験を底上げするアプローチであり、Zen 6の設計思想を色濃く反映したものといえるだろう。
管理人コメント
要するに「大事なコアには飯を食わせて、ヒマなコアには節食させる」という厳しい社内ルールをCPUレベルで実現するわけだ。1% Lowが改善されると瞬間的なカクつきが減るので、ゲーマー的にはピーク性能よりむしろこっちの方がありがたい。Zen 6、内政から整えてきたな。








