AIを使った設計自動化が進めば、現在は150人規模のチームで約2年かかるチップ開発を、10人・3カ月程度まで縮められる可能性がある。GoogleでAI部門を率いたJeff Dean氏が講演で示した将来像で、現在の半導体開発が抱える長い設計期間を、強化学習や進化的アルゴリズムを使った自動探索によって短縮できるとの考えを示した。ただし、これは実際にその人数と期間でチップを完成させた実績ではなく、自動化が十分に進んだ場合の例として語った数字だ。
現在のチップ設計では、高レベルの仕様をRTLへ落とし込み、その結果を別のチームが検証するなど、多くの工程を人手で積み上げている。Dean氏は、この探索と検証を高速なループとして自動化できれば、人間が一つずつ候補を試すよりはるかに多くの設計案を短時間で評価できると説明した。チップ開発期間が短くなれば、特定用途向けの専用プロセッサも作りやすくなり、「数年後に必要になる処理」を予測して設計する現在のリスクも小さくできる。
半導体設計ではすでにEDA企業を中心にAI利用が進んでおり、配置・配線や検証、自動最適化へ適用範囲が広がっている。一方で、製造プロセスまで含めた次世代半導体開発をAIへ全面的に任せられるかについては慎重な見方もある。150人が10人になるという数字だけを人員削減の予測として読むより、AIによって設計サイクルそのものが短くなれば、CPUやGPUだけでなく特定用途向けアクセラレータの世代交代まで速くなる可能性を示した発言として捉えるのが適切だ。
出典:Wccftech
管理人コメント
150人・2年が10人・3カ月。実績ではなく将来像ですが、本当にここまで短縮できれば半導体の開発速度は別物になります。AIがチップを使うだけでなく、その次のチップまで設計する側へ回るわけです。人員削減の数字だけを見るより、CPUやGPUの世代更新そのものが速くなる可能性のほうがPCユーザーには大きな話だと思います。








